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『わたしを離さないで』カズオ・イシグロ
 2007.02.13 Tue
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「いつかこんなことがこの世界でも起こりえるかもしれない。」「もしかしたらもう起こってるかもしれない。」とてもリアリティーをもって描かれた作品でした。

主人公キャシーの視点から淡々と描かれた彼女の学園生活は、始めのうちはなんとなく不可思議な影を持っているという印象を受けますが、その理由が物語を読み進めていくうちにだんだんとわかってきます。学園では直接教えられることはありませんが、徐々に自分たちの宿命を悟っていきます。そこは、クローン人間の養成所。しかし、生徒たちはまぎれもなく私たちと同じような「人格」をもったひとりひとりなのです。

彼女たちは、自分たちの宿命である行く末に折り合いをつけながら生きています。なんとも重苦しく悲しいお話です。
もちろん、この話のような事実が起こってはならないと思いますが、この話を読むことで、「自分がこのような状況に生まれてきたら・・・」と思わず考えてしまいました。現代の世の中は身勝手があまりにも許されている世の中です。自分たちの欲望を満たすことが、他の人たちを犠牲にすることになっている可能性があること(この話の場合はその最たる形ですが)を、深く考えさせられました。

Byくるりんぱ

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  c:3  t:0   [ブック☆レビュー]
comment

私は書店でちょこっとだけ立ち読みしました。
私の好きなSFチックな話かと思いきや、大変なヒューマニズム溢れる物語のようですね。
クローン人間にかかる小説やアニメが増えてきましたが、これも時代の流れなのでしょうか。
by: 葱平 | 2007.02.13 08:42 | URL | edit

地球温暖化が加速度的に進行している中に生きる生身の人間であるワタクシたちも、「クローン人間」同様、哀れな存在なのかもしれません。
by: キッチュ | 2007.02.13 12:21 | URL | edit

生命については未だ科学的に解明できていないことが多いにも関わらず、人格を持った生命を人工的に作り出す技術の研究が行われていることに矛盾と恐ろしさを感じます。

また、くるりんぱさんがおっしゃる「自分たちの欲望を満たすことが、他の人たちを犠牲にすることになっている可能性があること」を日常生活で想像するのは、とても難しいですね。
クローンの話からはずれますが、以前ニューヨークバタフライ現象の特集を見たことがあります。アメリカの女性たちのファッショントレンド(この時のアイテムはブーツでした)により、世界をまたいで運送業、製造業が東奔西走する様子を追っていたのです。
製造を行っている中国の工場で働く女性は、貧しさのため、家族の生計を支えるため、弟を大学に進学させるために、ミシンの技術を寝る間も惜しんで身につけていました。その一生懸命な姿、それから「いつかこんなブーツを履いてお洒落してみたいですか?」とのインタビューに「履いてみたいけど、多分無理。それよりもミシンを上達して、弟に大学で勉強してもらいたい」というようなことを答えている姿に胸にこみ上げるものがありました。
私なぞは、普段買っている物に対して、他の人のこのような想いがつまっていると考えたことはあまりありませんでした。それ以降、買い物するときには、この特集のことを思い出すことが多くなりました。自分の欲望を満たすために他の犠牲のことを考えることは難しくても、それに関わる人の想いに感謝できたら、これほど素敵なことはないと思いませんか?
by: おしゃう | 2007.02.14 22:12 | URL | edit
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